バイト師匠の日記

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期待値をデザインする

 

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ビジネスにおいてお客さんを感動させるサービスが提供できれば成功できます。でも現実では感動させるサービスってかなり難しいです。

この「感動」はどうやって生まれるのか考えていて、「期待値と満足値の差分」という答えに落ち着きました。

 例えば、Aさんは口コミサイトを徹底的に調べて評価の最も高いホテルに泊まりました。凄く期待して行きますよね。もう期待値MAXの状態です。そこで最高のおもてなしと美味しい料理、オシャレな客室でお客さんは大満足です。でも感動はしていません。なぜなら、Aさんは最高のサービスがあることを事前に知っているからです。サービスがネタバレしているんですね。

このように、最初の期待値が高すぎると満足値がいくら高くても二つの差が出ずに感動にはなりにくいんです。また、期待値が高いと完璧なサービスを求めてしまいます。フロントの言葉遣いがぎこちないとか、料理の待ち時間が長いなど些細なことでもマイナス要因になってしまいます。

一方で、Bさんは口コミサイトの評価が最低ランクの旅館に宿泊しました。口コミには「フロントの態度が悪い」「料理がまずい」「部屋が汚い」など散々書かれていましたが、値段が安かったのでその旅館に決めました。もちろん旅館には期待はしていません。むしろ評判が悪いのでどんだけ悪いのか興味があるくらいです。旅館に到着して、フロントの態度が悪いことは知っていたのでどんな対応かと思ったらそこにはおばあちゃんがフロントの対応をしています。確かに敬語じゃない話し方だけど、おばあちゃんの家に来たような親近感がありとても癒されました。料理も期待はしていませんでしたが料理長が1年前から変わったらしく、地元の食材を使用した料理は絶品でした。部屋は和室で年期が入っており決して綺麗な内装ではありませんが、古民家の様な味がありちゃんと清掃は行き届いていました。また、チェックアウトするときにはお手紙とお土産ももらいました。Bさんが感動したことは想像できそうです。

 

つまり感動されるには最初の期待値をできるだけ低くした方が効率が良いということです。

ただ、今の世の中の流れは評価経済になっていて、何を買うにも、体験するにも他人から評価されたモノしか利用しないようになりました。みんな失敗をしたくないんですよね。私もそうです。

でも、他人の評価ばかりを気にして生活をしていると失敗はしなくなりますが、感動することもなくなります。

「期待値を上げるとお客様は増えるが感動を生まない」

「期待値を下げるとお客様が減り感動を提供できない」

これからのカギになるのは期待値をデザインすることかなと思っています。

まだ私も答えをもっていませんが「期待値を下げてお客様を増やして感動を提供する」ことをなんとかやってみたいもんです。