飲食業界(外食産業)の今後のトレンドについて
外食産業全体の市場は縮小しています。原因は人口減少、人材不足、人件費や食材費の高騰などがあります。将来的には低価格路線か高付加価値路線の2つに分かれていきます。
低価格路線ではさらに効率化とコンビニ化に分かれます。
■効率化
効率化は現在人がやっている仕事を機械化、AI化して極限まで効率化させていく方向です。人件費は今後更に大きくなって行きます。逆に機械化、AI化は今はまだ導入するには費用が高いですが、今後はテクノロジーの進化とともに価格は安くなっていきます。ホールスタッフのオーダーや席案内はタッチパネルで解決できますし、調理も機械化が進んで人が作らなくても回るシステムになっていくでしょう。ここの領域は大手チェーン店が進んでいく道になります。
■コンビニ化
コンビニやスーパーの惣菜やお弁当などの市場は外食と内食の中間の中食(ナカショク)と言われますが、この中食と外食の垣根が無くなっていきます。最近のコンビニは店内にイートインスペースを設けています。コンビニで購入してコンビニで食べる事が一般的になればキッチン不要の飲食店と考えることも出来ます。この流れはスーパーにもでてきています。低価格路線の行き着く先はコンビニ化になるでしょう。
上記の通り低価格路線に関しては、今から参入するのは難しいです。なので高付加価値路線に進むしか将来性はありません。そうすると何に付加価値をつけるかが大事になってきます。付加価値の例を挙げていきます。
<高付加価値例>
■スナック型
スナックに料理を期待していく人はいません。また、かわいい女の子を目当てに行くこともありません。スナックに行く目的はお店のママの人柄や常連のお客さん同士のコミュニティを目当てに行っています。スナックはコミュニティを付加価値として提供しています。これからは飲食店にもこのコミュニティが必要になってきます。
■エンターテイメント型
今は美味しいだけなら差別化はできません。最近ではインスタ映えするお店が人気だったりするのもこのエンターテイメント型になります。しかし、インスタ映えを意識し過ぎて視覚だけに注力しているような気がします。本当のエンターテイメントは五感を刺激してお客様に驚きを提案することです。普段は経験できない感動的な体験ができるようなお店に出来ることが重要です。
■ニッチ型
大手にはマネの出来ないオリジナルな工夫やアイデアで勝負する方法です。実際にこんなお店があります。
・店員全員がモヒカンのラーメン店
・スナックの壁一面にうまい棒が敷き詰めている「スナックうまい棒」
・グラスの代わりにビーカーを使用し、アルコールランプでイカを炙る科学バー
これから飲食業界も激戦の時代になって行く中で、色んな業態が出てくると思います。楽しみですね。