バイト師匠の日記

1000人超の採用担当と会って気づいたことを発信。採用のお手伝いをしています。テーマは転職,仕事,求人,バイト,社員,採用,中途など

ちきりんの「マーケット感覚を身につけよう」を読んで「転職者の価値」を考えてみた。

最近マーケティングに関する事を調べたり、本を読んだりしているんですけど、3年前に読んだ社会派ブロガーのちきりんさんの著書「マーケット感覚を身につけよう」のことを思い出して読み直してみました。

3年前の会社員時代に読んだ時も面白かったですが、今読むと現実の仕事とリンクして前回以上に面白かったです。何度も読む手を止めて思考タイムに入りました。読む⇒思考⇒読む⇒思考を繰り返しながら一気に読みました。

ちきりんさんはマーケット感覚は様々な市場で取引されている本質的な価値を理解できる能力だと言っています。

 

例えば、フェラーリなどの高級車の提供している価値は移動手段ではなく「成功者としてのステータス」です。だからフェラーリの競合は軽自動車ではなく、ロレックスやダイヤモンドになるかもしれません。

 

就職活動の話も面白かったです。地方の昔の就活はコネ入社が当たり前でした。親や親戚、学校の先輩、先生などのコネを使って入社していました。しかし、インターネットの登場で全国どこでも応募することができるようになりました。

就活が一気に市場化されたんですね。市場化されたことにより多くの企業から内定をもらえる人がいる一方で100社受けても内定ゼロの人もでてきます。

100社受けて内定ゼロの人が足りないのは「学歴」ででしょうか?

それとも「能力」でしょうか?

そうです、この人に足りないのは「マーケット感覚」なんです。

 

例えば、どんなに自頭が良くリーダシップ力もある学生でも偏差値が低い大学なら超大手優良企業に100社応募しても内定はもらえません。大手企業は応募者が多いので、一人ひとり面接して適性をチェックするには膨大な時間とコストがかかってしまうからです。だから、第一審査では学歴で足切りをします。その後に、学生の能力や内面性を探っていきます。偏差値の低い大学の学生が内定を獲得するには中小企業やベンチャーに絞った方が圧倒的に有利です。

 


 

 

そこで、転職市場で転職者が取引している価値は何なのかをパターン別に考えてみました。転職希望先が「同業界or異業界」と「同職種or異職種」の組合せの4パターンです。

 

f:id:baitoshisho:20180703183044j:plain

■「同業界同職種」の価値は「即戦力」

 同じ業界で同じ職種の場合は、企業としては即戦力として活躍してもらえる最も欲しい人材なので、内定率は高いでしょう。しかし、前職で結果が全く残せなかった場合は逆にマイナス査定になるので注意しましょう。その場合はそもそもその仕事に向いていない可能性もあるので、もう一度その仕事でいいのかを考えてみた方が良いです。面接でのアピールポイントはいかに即戦力として会社に貢献できるかを伝えましょう。

 

■「異業界同職種」の価値は「スペシャリスト」

業界が変わると文化が変わるので、前職では「正しい」ことが「不正」になったりすることが良くあります。各業界内に独自の常識やルールがあるので柔軟性が問われます。様々な業界で同じ職種を経験することは職種の経験の幅が広がります。例えば営業職であれば、物流業界での営業のやり方とIT業界の営業のやり方は違います。ターゲティング、アプローチ方法、商談、クロージングなど全て違います。でもこの違いを経験することが営業としての幅を広げてくれます。一方で、営業の本質的な価値は変わりません。職種の本質的な価値を理解できればどんな業界でも活躍できるスペシャリストになれます。

 

■「同業界異職種」の価値は「ジェネラリスト」 

同じ業界で職種を変える方法で一番の近道は、今の会社でジョブローテーションすることです。まずは会社に制度が無くても思い切って人事や上司に相談してみましょう。転職の場合は、業界(文化)が好きな理由と前職の経験が新しい職種にどんなメリットがあるかを伝えるとよいでしょう。

 

■「異業界異職種」の価値は「判断力とチャレンジ精神」

前職とは全く違う業界、職種を選ぶ際の注意点は選択肢の幅が広すぎることです。この場合に必要となるのはどの業界にするかの「判断力」です。「なぜその業界にしようとしたのか?なぜその仕事をやりたいのか?」を自分の言葉で言える状態じゃないとダメです。決して「どこでもいいや」などの思いで応募してはいけません。今は人手不足なので採用されることがあるかもしれませんが、自分で判断して、それにチャレンジしようと思うことが大切です。

 

 

baitoshisho.hatenablog.com

baitoshisho.hatenablog.com