大道芸を見るのが苦手な理由
観光地など人の集まる所では大道芸を見る機会が多くなります。大道芸は純粋にすごいと思いますし、日々練習を頑張っているんだろうなぁと感心します。
でも僕はいつも大道芸に対して違和感を感じてしまうんですね。それは何なのかを考えた時にひとつの答えが見つかりました。
それは「投げ銭」です。
大道芸にはいろんなタイプがありますが、共通するのは芸が終わった後に投げ銭をしてもらうことです。投げ銭は大道芸の収入源なので、投げ銭は生命線でもあります。だからいかにして投げ銭をしてもらうかを考えています。
大道芸のパターンはだいたいこんな流れです。
集客
まずは人を集めないといけません。お客さんに立ち止まってもらわないと始まりません。数人が立ち止まってくれると人が人を呼ぶ形になるのでどんどん人が増えていきます。もちろんお客さんが楽しめるパフォーマンスができていることが前提になります。
信頼関係
人だかりができたらお客さんとコミュニケーションをとりながら信頼関係を作っていきます。ここが一番難しいところで一番重要だと思います。お客さんを巻き込むことで一体感を作ったり、汗をかきながら必死な姿を見せたり、難易度が高い芸をあえて失敗したりしながらお客さんをひきつけます。
クライマックス
一通りの芸が終わったら、明るく元気なモードから一気に真剣なモードに切り替えます。この時曲調も変わります。そして最後の大技を行います。ここが会場のボルテージはピークですね。大技が決まるとお客さんへのクロージングに向かいます。自分の身の上話や、大道芸の厳しさ、練習の過酷さなど同情してもらいます。そして投げ銭をお願いするという流れです。
この路上の大道芸というスタイルは人の心理をうまくついているなぁと感心する一方で心理を悪用しているとも感じます。頼んでもいないのに勝手に芸をしておいて、「頑張ったんでお金をください」というのは結構暴力的だなぁと感じてしまうんです。本来は大道芸の投げ銭はしてもしなくても自由なはずなんですが、せざる負えない空気があります。あの脅迫感が苦手なんですね。