免許更新とおじいちゃん講師
先日免許の更新に行ってきました。
開場の10分前に到着したらもう入れるようだったので、早速免許試験場に入っていった。開場に入るともうすでに多くの人がいた。作業着を着た人や主婦っぽい人もいたが全体的に白髪の高齢者が多い。
初めに受付で更新申請書を受け取り、住所、氏名、年齢、暗証番号などの必要事項を記入する。免許証が身分証明書なんだからわざわざ手書きで書く必要なんてないのにと思いながらしぶしぶ記入する。記入が終わったら更新手数料を払うコーナーに案内された。今回は一般運転者講習ということで金額は3300円。まぁまぁ高い謎の金額設定だな。
次に視力検査に移動。3つの視力台にはそれぞれマスク着用のベテラン女性が配置されている。それぞれの台に列ができている。私は一番人数の少なそうな列を選び並んだ。改めて3人の女性を見てみるとマスク越しながらも髪型や目元から一番若い女性であることはスグに理解できた。すこし得をした気がした。
その後は登録受付に進み、手持ちの資料を渡して小さな紙きれをもらう。免許試験場内を多くの人が順番に各工程を移動していると、自分が工場のライン作業でつくられる製品になったような感じがした。
そんなことを思いながら次は写真撮影。自撮りアプリやプリクラも3割増しで自分を取れる技術がある中で、免許書の写真撮影は奇跡の3割減。まぁ毎回免許を受け取るたびにこれで何年か過ごすのかと落ち込んでしまう。今年こそはと入り口の鏡で最終チェックをし本番に臨む。しかしコチラが不安になるくらいの流れ作業で撮影は一瞬に終了。不安のまま撮影場所を去ることになる。
そして運命の講習の時間だ。講習は区分によって時間が変わってくる。私は一般講習なので1時間。違反者の場合は2時間あるようだ。地獄だな。
講師は想定70歳の白髪のおじいちゃんだった。おじいちゃん曰く「講義を受けることは免許更新の義務なので携帯をいじったり、居眠りしたり、下を向いたりしていた場合はもう一度受講してもらうかもしれませんので注意してください」と釘を刺された。携帯をいじる気まんまんだったけど、確かにその通りだなと思い携帯をポケットにしまい講義に集中しようと心に決めた。
しかし、講義が始まって衝撃が走った。
講義内容を丸暗記した高速早しゃべりと超独特な謎のイントネーションだったのだ。市場のセリかな?そう思った。
更に加えて活舌が悪い。たぶんサ行が言えていない。タ行も怪しい。
更にさらに、ときどき語尾を省略する。
つまり、話す内容の半分が聞き取れないのだ。
外国語のヒアリングテスト並みに耳を集中しないといけないのだ。照射された画面から言葉を推測して理解していかなければいけない。ある意味これは講義に集中させるためにわざとやっているんじゃないかと思ってきた。
またはこれは自分だけが聞き取れにくくて自分に問題がある説まで浮上した。しかし、隣の受講者を見たら、酸っぱいものを食べさせられたかの様に顔にしわを寄せて講義を聞いていたので自分だけではないと安心した。
講義の半分は聞き取れなかったけれど、声のボリュームは十分にでていた。そしてあの早口で一言も噛まずに一時間しゃべりまくる姿には驚いた。しかし、あの講義では誰にも伝わっていないのだ。なんとも悲しい気持ちになる。
おじいちゃんは毎日同じ講義を何回もして、体に染みついているんだろう。あのベテランのこなれ感はまさにオンステージだ。これはおじいちゃんの生きがいなんだろうなぁと考えると哀愁を感じた。
いやまて、哀愁を感じている場合じゃない。
この講義は交通ルールを守り安全に運転することが目的である。であれば、伝わらないと意味がない。伝える為には自己満足ではだめで他社目線で伝えないといけないのだ。そう考えるとあのじじいが俄然ムカついてきた。伝えるには技術がいる。正しい情報をいうだけじゃない。国はそれを理解して人選したほうがいい。もしくは講義のチェックをして第三者が評価をするべきだ。
ちょっと熱くなりましたが、まぁそんな感じで、講習を無事終えました。
最後は新しい免許を受け取りだ。
受付で「間違いが無いか確認してくださいね」と言われて、待ちに待った免許を受け取る。
ん?
いや、これ誰?あたす?
また3割減やんこれ。
顔が間違っとるわwww
鏡で見てる自分じゃないわwww