【お仕事探訪】京都に1店舗しかないかばん屋「一澤信三郎帆布」の人気の秘密を考えてみた
先週録画していた「カンブリア宮殿」を見ました。
今回登場したのは一澤信三郎帆布という京都に一店舗しかない老舗かばん屋さんです。かばんはすべて手作業で一つひとつ丁寧に仕上げるので大量生産はできません。そんなこだわりのお店は連日多くのお客さんで賑わっています。
もちろん素敵なかばんだと思いますし、人気なのはわかるんです。でも同じように手作業でこだわって作っているのに潰れてしまうお店もあります。この違いは何なのかという疑問がでてきてしまいました。それからずっと考えておりまして、先ほど
納得のいく答えがでました!
一澤信三郎帆布の人気の秘密には「こだわり」「価値」「ストーリー」の3つの要素が合わさった結果なんだと思いました。
「こだわり」
一澤信三郎帆布のかばんにはこだわりが詰まっています。まず、全て職人が手作業で作っていること。生地も良質の天然帆布を手に入れる為に麻糸を輸入して日本で織ってもらっています。他にも染めや糸、金具など細部にまでこだわり抜いています。このこだわりをお客さんが認識しているので、商品にも愛着が湧くんでしょうね。
また、ここではかばんの修理も受けています。新しいかばんを買うんじゃなくて修理するっていうのはやっぱりかばんに愛着があるという証拠でしょう。
「価値」
どんなにこだわりが強くても、時代に合ってなかったり、商品自体が魅力的じゃないとファンは増えません。一澤信三郎帆布のかばんは100年続く定番のかばんの型がありますが、デザインやカラー、サイズのバリエーションなどが豊富でかばんとしての価値も高いです。また生地が強く丈夫なので長持ちします。ジーンズの様に長く使うほど味が出てくるようです。
「ストーリー」
会社の歴史や人間ドラマなどのストーリーがとても重要なエッセンスになっていて、実はコレが一番重要じゃないかと思っています。
創業から100年超の歴史がブランドの土台になっています。
初代が道具入れを作った所から始まり、2代目は帆布の袋を本格的につくっていきました。3代目は登山用ザックやテントで一気に「一澤帆布」の名を有名にしました。そして4代目の一澤信三郎は職人の手仕事を守りながら、新しいデザインやユニークなアイデアで時代の風を吹き込んでいきました。(WEBサイトより)
また、ブランドをめぐるお家騒動も凄まじいです。
以下HPより抜粋
2001年
父親である3代目信夫が死去し、生前信夫が弁護士に預けていた遺言書の他にもう1通、商売に関わったことのなかった兄が遺言書を預かっていたと主張し、裁判になる。弁護士に預けていた遺言書では、20年以上ともに仕事をしてきた信三郎と弟、それに信三郎の妻が、株を相続するものだった。
ところが兄が預かったとする遺言書では、信夫の株のほとんどが兄に渡ると記載されていた。
2003年
「偽造とまでは言いきれない」という判決で、信三郎が敗訴。
2005年
2006年
信三郎は職人全員とともに「一澤信三郎帆布」を立ち上げ、新たに柄ものも染めて、今までになかった時代の求めるかばん作りを目指す。
2009年
再度起こした裁判で私たちの主張が認められ、逆転勝訴が確定し、「一澤帆布」は信三郎の元に戻る。
2011年
元の「一澤帆布」の店舗に戻り、営業を再開する。
こうした100年の歴史と凄まじい人間ドラマがあったからこそこのブランドを応援しようと思う人が大勢いるのではないかと思います。このストーリーはどこにもまねのできない一澤信三郎帆布というブランドそのものなんですね。
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一澤信三郎帆布
TEL. 075-541-0436(代)
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